2009年2月2日3時16分設置の火山灰トラップ 
回収後の様子

 浅間火山の山頂火口から南東約126kmの多摩丘陵



火山灰の堆積状況















顕微鏡観察風景

採取した試料0.1gの一部を用いて,以下の手順で粒片プレパラートを作製した.

3ファイ(1/4-1/8mm)と4ファイ(1/8-1/16mm)のふるいを用いて,4ファイと4ファイ以下の粒子を取り出す.
それぞれ超音波洗浄後,乾燥させ,レーキサイトセメントを用いてプレパラートに固定.
偏光顕微鏡写真1

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
オープン二コル
撮影倍率:100倍
視野直径:2.2mm
100目盛が1mm

暗灰色の粒子:溶岩片
白色や緑色の粒子:斜長石や輝石の結晶片
偏光顕微鏡写真2

写真1と同一視野
クロス二コル

白く光っている粒子の大半は斜長石.角が丸味を帯びたものが多い
偏光顕微鏡写真3

写真1と同一視野
クロス二コル+検板

目盛り40直上の粒子はガラスであることがわかる(クロス二コルのみでは暗黒)
偏光顕微鏡写真4

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
オープン二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm
100目盛が250ミクロン

斜長石を包む無色ガラス 球形の気泡が認められる
偏光顕微鏡写真5

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
オープン二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm

画面中央下に褐色ガラス有
偏光顕微鏡写真6

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
写真5と同一視野
クロス二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm
偏光顕微鏡写真7

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
オープン二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm

この視野には結晶片が多く見られる.オレンジがかった緑:斜方輝石,画面右下の緑:単斜輝石,白色:斜長石.いずれも角が丸味を帯びている.
偏光顕微鏡写真8

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
写真7と同一視野
クロス二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm
偏光顕微鏡写真9

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
オープン二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm

大半の溶岩片はこの視野内の粒子のように緻密で灰色,隠微晶質である
偏光顕微鏡写真10

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
写真9と同一視野
クロス二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm
偏光顕微鏡写真11

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
オープン二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm

目盛り10の下方の緑色の粒子は単斜輝石,その右側の白い粒子は斜長石
偏光顕微鏡写真12

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
写真12と同一視野
クロス二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm

クロスで観察すると鋭利な斜長石の破断面が確認できる
偏光顕微鏡写真13

1/8-1/16mm 粒子(4ファイ)
オープン二コル
撮影倍率:100倍
視野直径:2.2mm

今回の火山灰に典型的な隠微晶質で緻密な溶岩片の粒子.結晶の破断面が粒子の輪郭の一部を成す場合が見られる.
偏光顕微鏡写真14

1/16mm 以下の粒子(シルトサイズ)
オープン二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm

中央部と画面左下に褐色ガラス.このようなガラス質粒子は少量のみ認められる
偏光顕微鏡写真15

1/16mm 以下の粒子(シルトサイズ)
オープン二コル
撮影倍率:1000倍
視野直径:0.4mm
100目盛が100ミクロン

写真14の中央部の粒子の拡大

褐色〜淡褐色の不均質ガラス

目盛40の直下に燕尾状の斜長石(長さ約30ミクロン)が認められる
偏光顕微鏡写真16

1/16mm 以下の粒子(シルトサイズ)
オープン二コル
撮影倍率:400倍
視野直径:1.1mm
偏光顕微鏡写真17

1/16mm 以下の粒子(シルトサイズ)
オープン二コル
撮影倍率:1000倍
視野直径:0.4mm

写真17の中央部の粒子の拡大

今回の火山灰に典型的な隠微晶質粒子
深夜に関東地方に飛来した火山灰

写真と文:安井真也

無断転載はご遠慮願います.

作成

日本大学文理学部
地球システム科学科
火山・岩石学研究室
     安井真也

浅間山の2009年2月2日1時51分頃の噴火による噴煙は風で南東方向へ流され,関東地方にも降灰がありました.今回多摩丘陵において,降灰の開始時刻の頃に設置した簡易火山灰トラップにより火山灰試料を採取することができました.その試料を偏光顕微鏡で観察しましたので,写真とともに観察結果を報告します.

速報記事
関東地方に飛来した浅間山の火山灰の観察結果