| 大学合同観測班地質グループ・地質調査所 |
| (大野希一※・長井雅史※※・中田節也※※
・秋政貴子※※・下司信夫※※※・ |
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日本大学文理学部 |
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東京大学地震研究所 |
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東京大学大学院地球惑星科学専攻 |
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神奈川県温泉地学研究所 |
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地質調査所 |
| はじめに | |
| 三宅島雄山は2000年7月14日から7月15日にかけて再び噴火し, 主に島の北東域に大量の降下火山灰をもたらした.現地滞在時にこの噴火に遭遇した我々は,現地において噴火の状況を観察すると共に, 地表に降下した直後の火山灰を観察した.ここでは,主に噴火によって降下した火山灰の堆積産状の特徴について報告する.7月14〜15日に起こった噴火の状況については,東京大学地震研究所のページも併せてご覧下さい. |
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| ・降下火山灰の産状 | ||
| 堆積後の脱水・乾燥によって適度に固化した降下火山灰層の断面を観察し,層序の記載を行った.降下火山灰は,色調や堆積産状の違いからいくつかのユニットに分けられる
(写真1).
火山灰層の下部は,暗紫灰色の泡入り火山灰(vesicular tuff)状を呈し,中にやや褐色を帯びた細粒火山灰層を含む.乾燥・固化が進んでいない降下火山灰層の場合,最下部ユニットはその他のユニットに比べて相対的に多く水を含み,地表面にべったりと貼り着いている. 泡入り火山灰層の上部には,やや褐色を帯びた,気泡をほとんど含まない無構造の火山灰層が重なる. 火山灰層の上半分は暗灰色の細粒火山灰で,特徴的に球形の火山豆石を多く含む.写真2は上部ユニット内に認められる火山豆石層の平面的産状である.火山豆石の直径は平均約1.5mm,最大4mm程度で,ユニットの上方に向かってnormal gradingしている. 火山豆石ユニットの上部には,やや褐色を呈する気泡の少ない火山灰層が認められる. 火山灰層の最上部は,堆積後の強風によって形成された風紋状の2次堆積構造(写真3)や,局所的な降雨による雨滴痕(写真4)が認められることがあるが,もともとの堆積産状を保持している場所では,降下火山灰の表面は直径1〜2mm程度の火山豆石によって覆われている(写真5). 降下火山灰は垂直な壁や樹木,葉にべったりと付着しており(写真6および7),非常に多量の水を含んだ状態で降下したことが分かる.そのため,樹木は葉や幹に付着した火山灰の重みに耐えきれず,至る所で折れている.写真8は7月17日午後の鉢巻林道の状況である.経験的に火山灰の層厚が1.6cmを越えると,倒木が一気に増加するようである. |
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| ・降下火山灰の分布と層厚の特徴 | ||
| 7/14-15噴火に伴う火山灰のアイソパックを こちらに示す.降下火山灰は火口から北東方向とほぼ真北の方向に2本の分布軸を持つ.降下火山灰の層厚は一周道路沿いで最大82mm,火口から北東に約2.1キロ離れた鉢巻林道沿いで最大310mmに達する.このアイソパックから見積もられる降灰量はおよそ1100万立法メートル(およそ710万トン.堆積密度を1500kg/m3と仮定.2001年10月22日版)である. | ||
| その他の大学合同観測班の情報につきましては, 東京大学地震研究所のページ もご覧下さい. |
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文責:大野希一(日本大学文理学部地球システム科学科)
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写真1 7/14-15降下火山灰の断面 |
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7月14〜15日噴火で降下した火山灰は,大きく分けて2つの降下ユニットに分けることが出来る.下部は数ミリの気泡を含むvesicular tuff,上部は1〜2mmの火山豆石からなる.降下火山灰は,上下ユニットともに茶褐色を呈する薄層を特徴的に含むが,写真では識別できない.
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写真2 7/14-15降下火山灰中の火山豆石 |
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7月14〜15日降下火山灰の上部は,上部は1〜2mmの火山豆石が密集して堆積している.
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写真3 降下火山灰の堆積産状(その1) |
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降下した火山灰は,乾燥するとすぐに風によって再移動し,表面に風紋を作る. |
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写真4 降下火山灰の堆積産状(その2) |
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局所的に降雨のあった地点では,火山灰の表面に雨滴痕が認められる.この雨滴痕による表面 の凹凸は,構造がルーズなことや,大きさが異常にそろっているという点で,火山豆石と区別 できる.
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写真5 降下火山灰の堆積産状(その3) |
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風による再移動や,局所的な降雨を免れた地点では,火山灰の表面にも直径1mmほどの火山豆石が残存する.
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写真6 火山灰によって覆い尽くされた看板 |
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降下火山灰は垂直な壁にも付着する.非常に水を多く含んだ状態で降下したことが示唆される.
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写真7 火山灰が付着した樹木 |
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火山灰は天ぷらの衣のように,木の葉や木の枝を取り巻くように付着している. |
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写真8 火山灰の重みによって倒れた樹木 |
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付着した火山灰の重みによって倒れた木.経験的に,火山灰の層厚が1.6cmを越えると,ほとんどの木が途中から折れてしまう.
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三宅島2000年7月8日噴火の情報のページへ
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