浅間山水準測量(2004年9月ー2005年6月)
ー2004年浅間山中規模噴火を受けてー

浅間山水準測量概要(2004年噴火後〜2005年)
2004年9月1日,およそ21年ぶりに浅間山は中規模噴火を起こした.

浅間山は,山体南部を中心に,国土地理院・東大によって水準測量の観測路線が作られ,約100年間の山体の膨張・収縮のデータが蓄積されている. 近年地殻変動観測の中心はGPSになっているが,水準測量は,5mm程度の上下変動でも検出することができ,GPSよりも精度の高い測量である. 微小な変形も検出できる水準測量は,静穏期にマグマ溜まりに蓄積されるマグマの量を調査することに向いている.2004年の中規模噴火を受け,北大・京大桜島観測所・東大地震研・気象庁・名大(その時村瀬在籍)によって水準測量がなされた.

測量調査第一回:2004年11月 国道18号線(軽井沢〜御代田)・国道146号線(中軽井沢〜峰の茶屋)・南山麓林道(峰の茶屋〜追分)
測量調査第二回:2005年5月 国道18号線(軽井沢〜御代田)・国道146号線(中軽井沢〜峰の茶屋)・チェリーパークロード(追分〜車坂峠)

国道18号線(軽井沢〜御代田)・国道146号線(中軽井沢〜峰の茶屋)・南山麓林道(峰の茶屋〜追分)の水準路線は,古くからの観測データがあり,長期的な上下変動を知るために重要である.国道18号線の最も古いデータは1902年に測定されており,100年以上のデータが蓄積されている.これは,世界的に見ても貴重である.
また2004年噴火の研究が進み,震源分布やGPSデータより浅間山(前掛山)西方の黒斑山〜より西部の地下でダイク(垂直板状貫入岩)の貫入が推定された(武尾ほか,2005;青木ほか,2005など). しかし,浅間山は巨大な山体を有し現在の観測網は十分とは言えず,その推定パラメータにはまだ不確実な部分が含まれる. そこで,ダイクが推定されている浅間山西方の車坂峠を縦断する水準路線を2005年に新設.測量をおこなうこととなった.

図は,新設した車坂峠の路線(黄色)と,既存路線については2004年11月―2005年6月の測量より検出した上下変化である(名古屋大学ほか,2005,噴火予知連). 2004年11月―2005年6月の期間は火山性地震や火映など火山活動は活発であることを示しているにもかかわらず,既存路線の結果は全体として沈降を示した.
山頂から遠く7〜10km程度はなれた場所での沈降は,深い圧力源(マグマ溜り)の収縮を反映している可能性が考えられる.



観測風景写真
事前調査(2004年9月)

水準路線のチェックのために,浅間山に行きましたが,あいにくの雨.東京大学浅間火山観測所を見学しました.帝国大学時代のプレートがありました.
浅間火山観測所では,地震・傾斜・重力などが測られていました.昔ながらの煤書き地震記録も取られていました.
観測所プレート 煤書き地震記録 噴火時の地震記録 絶対重力計

測量調査第一回(2004年11月)

11月の浅間.大量の火山ガスが出ています.秋の林道は落ち葉であふれ機材の固定が難しく測量の能率が下がります.熊も出てきます.
国道18号線沿いの1等水準点は100年前から使われているものが多く残っています.写真の水準点は,まるで祠の一部のようです.
浅間山(長野県側より) 浅間山(峰の茶屋より) 林道測量風景1 林道測量風景2 観測終了記念 1等水準点

測量調査第二回(2005年5月)

2004年11月と比較して,だいぶ噴気が減ってきました.
新緑の中の水準測量,天候にも恵まれ当初計画以上に路線を伸ばすことができました.
NHKと地元新聞社が取材に来ました.私も新聞とテレビに少し出ました.
浅間山(長野県側より) チェリーパークロード1 チェリーパークロード2 国道18号線 NHK取材1 NHK取材2

巡検写真

草津白根火山

草津白根山に巡検に行きました.草津白根山は,エメラルドグリーンの火口湖(湯釜)を持つ活発な火山です.
東工大草津白根火山観測所では,草津白根山の噴火史や観測体制などを教えていただきました(ありがとうございました).
東工大観測所 草津白根山湯釜 避難シェルター 湯釜監視カメラ 有毒ガス注意看板

鎌原観音堂

天明3年(1783年 江戸時代),鬼押出し溶岩や鎌原火砕流・岩屑なだれを発生させた大噴火が起こりました(浅間天明噴火).
鎌原観音堂は小高い丘に建てられていたのですが,鎌原火砕流・岩屑なだれの直撃を受け,50段あった石段の35段まで埋まってしまいました.
発掘調査により2人の女性と思われる被災者が見つかっています.過去の大災害の被災者に手を合わせました.
ちなみに鎌原火砕流・岩屑なだれは原因に未だ諸説ある特殊な現象だったようです.
鎌原観音堂 50段あったはずの階段 橋の下にも階段が続く… 説明看板

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